ホーム > リーダー養成セミナー > 3. 宇宙利用・分野横断セミナー > 月の地下空洞探査(学生主催企画)

月の地下空洞探査(学生主催企画)

サマリー
今回のセミナーでは1部でJAXAの「かぐや」プロジェクトに参加している春山純一先生の月の地面及び地下空洞の話と今までの研究成果についての講義、2部で2017年度GLT2 Bチームのケース・スタディの発表、3部で「月の地下空洞の利用可能性」について、パネルディスカッションを実施します。

概要
この講義では、最近の月探査の結果と今後の探査計画をご紹介します。人類は月に居住可能な基地を建設するために、また月に戻ろうとしています。しかし、月面は「致命的な放射線シャワー」や「幅広い温度変動」、「絶え間無い微小隕石の衝突」など厳しい環境下にあります。このような厳しい月面環境において、人や機器を保護できる溶岩チューブのような地下空間こそが、月基地を設置する最良の候補の1つと言えます。
潜在的な居住性に加え、溶岩チューブは月や惑星に関する科学のさまざまな課題を解決する多くの手がかりを得られる宝庫となります。
2009年に月の「Marius Hills」で、溶岩チューブに天窓として開いたと考えられうる縦孔が発見されて以来これまで(2018年2月)、SELENE(Kaguya)搭載の地形カメラとLRO搭載の狭角カメラによって10個近くの天窓と考えられる縦孔が発見されています。しかし、それらの縦孔がそれぞれ、大きくそして長い溶岩チューブにつながっているとは、必ずしも断定することはできませんでした。
最近、「Kaku et al. (2018)」は、SELENE搭載の「月レーダサウンダー」によって取得されたレーダ反射波を調査し、Marius Hillsで、未崩壊のままの溶岩チューブの存在を示唆するレーダ反射パターンを発見しました。その溶岩チューブの長さは50kmにもおよぶと推定されました。私たちは今、その天窓と考えられる縦孔を通して月の溶岩チューブを探査することを計画しており、「古今未曽有の日本の月地下世界探査(UZUME)」と名付けています。

当日スケジュール
1.セミナー(15:00-16:30)
2.GLT2 Project B チーム発表 (16:45-17:00)
3.パネルディスカッション(17:00-18:00)

BIO
春山 純一(はるやま じゅんいち)
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 助教 (本務)
Principal Investigator of Lunar Imager / SpectroMeter (LISM) onboard SELENE (Kaguya)
会津大学 大学院コンピュータ理工学研究科 特任上級准教授 (兼務)
熊本大学 客員准教授 (兼務)
相模女子大学 講師(非常勤) (兼務)
東京理科大学 講師(非常勤) (兼務)

1989年 京都大学理学部 卒業
1994年 京都大学大学院 理学博士号取得
学位論文題目"Thermal History of Comets during Residence in the Oort Cloud"

春山純一先生は月と衛星科学者として様々な研究プロジェクトに参加した。「かぐや(SELENE)」プロジェクトでは地形カメラとマルチバンドカメラスペクトラルプロファイラの研究責任者として参加した。UZUME (Unprecedented Zipangu Underworld of the Moon Exploration)企画では、プロジェクトの中心として研究を進めている。これ以外にも月と衛星に関する国際的な研究にも参加した。2009年から2011年までJournal of Geophysical Research (JGR) PlanetsのAssociate editorとして活動した。


  1. 全て
  2. »2018年
  3. »2017年
  4. »2016年
  5. »2015年
  6. »2014年
  7. »2013年

▲ページの先頭へ戻る

ホームへ戻る